現在、家を取得する方法は、建売、マンションを買う、ハウスメーカー、工務店で建てる、などが一般的です。このような家の取得に共通しているのは、消費者が住宅販売会社やビルダーから直接購入するという点です。

では住宅以外の一般建築、ビルや公共建築などはどのように建てられているのでしょう。多くのケースではオーナー(発注者)が、設計者(設計事務所)、施工者(建設会社)にそれぞれ仕事を発注します(右図)。設計者は、まず建物を設計します。その設計図を元に施工者は建設費見積をします。出された建設費見積書をオーナー、設計者が詳細検討し適正な金額で工事が施工者に発注され、建物が建設されます。建設中は設計者(監理者)によって工事監理がされます。

以上のように一般建築の多くは、発注者・設計者・施工者の三者の緊密な関係のなかで建設され、コスト管理、品質が確保されています。

では、住宅ではなぜそれがなされていないのでしょう。
対象が一般ユーザーであることや、不動産の一個性という要因もありますが、いずれにせよ、住宅販売会社によって、消費者に対し主導的に商品を供給するというシステムが作られてしまっています。消費者の住宅「購入」という行為によって、現在の住宅業界の隆盛が支えられています





理想的な家を造ること。そのためにはどうすれば良いか。 
ユーザーである皆様にご理解いただきたいことの第一がここにあります。

住宅を造る上でまず重要なのは、コスト管理と品質管理の徹底です。それ無しに、本当に快適で美しい住宅は望めません。一般的な住宅供給システムのもとでは困難と言わざるを得ません。

私たちは、住宅建設にも厳密なコスト管理、品質管理が必要と考えます。そのための方法を提案いたします。





良い住宅の条件は、良い設計、良い工事がなされていることです。

設計とは、建設地の条件、住まい手の構成、要件に対して考察、検討を幾度となく繰り返し、プランニングしていく作業の集積です。決して、4LDKといった既成の間取りを敷地に当てはめるような事ではありません。
残念ながら現在売られている多くの住宅には本来の設計がされていません。販売スケジュール優先、利益確保、コスト圧縮の名の下に早急でおざなりな設計がなされています。本来設計にかけるべきコストが販売利益に転化されてしまっているのが現状です。

また、工事も同様です。多くの住宅は、使用材料費、手間賃、工事期間の圧縮によって安手の既製品によって構成されてしまっています。空気の流れも考えずに作られた外壁、設備配管を通すために大きく欠きこみされた梁、ただ安く工期短縮になるからと使われる塩ビ木調プリントのドア。このような事態も工事のコストカットが原因です。設計と工事にエネルギーとコストをかけずに良い住宅はできないのです。





右の図は住宅のコストの比較の一例です。
一般的な建売住宅の販売価格に占める諸項目のnetの割合を見ると建築費がいかに切り詰められているかがわかります。設計費は数十万ほどしかかけられていず、適正な監理者による工事監理はほとんどなされていません。





私たちは、設計、監理、工事にコストとエネルギーを集中させることによってはじめて良い家ができるものと考えます。
コストの話ばかりだと思われるかもしれませんが、ごく基本的で、とても重要なことなのです。
限られた予算だからこそ設計と工事のコストをきちんと確保しなければ、本当の家造りはできません。




























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